場所:板橋区立中台小学校図書室
ショートアニマシオン:こやま峰子さんでアニマシオン(平島)
特別例会:こやま峰子さんをお招きして
参加費:一般1000円 会員:500円 学生無料
お問い合わせ先 hidehikok@yahoo.co.jp 笠井
〜次回、アニマシオン研究会例会のご案内〜
こやま峰子さんを教科書掲載の詩「月」や「手と手であいさつ」の曲で、ご存じの方も多
いでしょう。東京・蒲田で幼少期を過ごしたこやまさんは9歳で戦争という時代に置かれます。平和・いのち・愛をテーマに創作活動をされてきたこやまさんに、詩を書き始めた背景や戦争中の体験と平和への思いを伺います。また、ショパンを支えヴィクトル・ユーゴーやマルクスとも交流があり、フランスの女性権利運動を主導しつつ文学作品を書き続けたジョルジュ・サンドの研究家でもあります。サンドの存在が、こやまさんの創作や人生の道しるべになっているとのことです。詩や絵本の出版予定もお話しくださるでしょう。ぜひ、ご参加ください。
『夢につばさを 世界中のこどもたちに』
こやま峰子/作 葉祥明/絵 リッキー・ニノミヤ/英訳 金の星社 1997年12月
本書は世界の戦災孤児の救済を行っている国際NGO「日本フォスター・プラン」(現在「プラン・インターナショナル」に改名)の協力のもとに作られた絵本です。この絵本の収益の一部はこの団体を通じて世界の子どもたちの飲料水改善のために使われています。
「学校で勉強がしたい」それがベトナムの少女トゥイの願いです。でもトゥイは家にとっ
ては大事な働き手。出産のため診療所に入院したお母さんにかわって、トゥイはブタやニ
ワトリの世話、くだものの手入れをします。めでたくトゥイの妹が生まれます。でも妹はベトナム戦争でまかれた枯葉剤の影響からか目がみえません。トゥイは学校に行けるようになり、そこで夢を語ります。その夢は・・・・・。戦争、疎開体験を経験しているこやま峰子さんだからこそこのベトナム戦争の現実に共感できたものがあったかと思います。それはあとがきのこやま峰子さんの文章にも表れています。葉祥明さんの素敵な絵はベトナムで起こっているいろいろなことを想像させてくれます。また、音楽は世界の共通語ということから、こやま峰子さん作詞、中田喜直さん作曲の「夢をうたおう」が楽譜とともに載っています。
5月10日の特別例会では、こやまさんの戦争体験からこの『夢につばさを』につながる話が聞けるかと思います。(笠井英彦)
詩集『さんかくじょうぎ』
こやま峰子・詩、武田淑子・絵
銀の鈴社 1983.11 1,600円
月
雲のうんだ たまご
これが、4年国語(光村図書)に収録されている『さんかくじょうぎ』の中の詩です。
こやま峰子さんの初めての詩集。「うし」「みのむし」「おはし」「すずらん」「おひさ
まの わすれもの」……。どれも身近な存在をよく見つめ、その“語り“に耳を傾けた作品
です。その後の詩集『はじめのいーっぽ』や『ぴかぴかコンパス』などでも貫かれる手法
で、誠実な言葉で語られ、かつ言葉の並びはおしゃれです。フランス語・フランス文学に
親しみ、訳詩集も出されてきた教養が土台にあると思います。
読書のアニマシオン研究会が葛飾区立飯塚小学校で公開研究会・ワークショップを開いていた時に、「まるごと・こやま峰子さんdeアニマシオン」を開きました。そこで、子どもたちがこやまさんの詩を暗唱、パフォーマンスで演じる姿を見て、拍手を贈ってくれました。「それまで読者のことなぞ考えることはなかったけれど、子どもが自分の詩を学び・演じてくれるのを見て、読み手がいて支えられているのだと考えるようになった」と話してくれたことがありました。
私が教材詩集『子どもたちに詩をいっぱい』(旬報社)で詩「つくし」を「あてっこ詩」として取り上げたとき、快く受け入れてくれたうえ、「こんな風に楽しむことができるんだと、何度もながめています」とお手紙をくださいました。アニマシオンクラブでは、「まど・みちおさん100歳記念集会」など、折に触れてこやまさんにお願いしてお話をうかがってきました。
5月例会では、詩を書き始めた背景や戦争中の体験と平和への思いなどいろいろとうかがえることが楽しみです。(岩辺)