6月「おおかみがにげた」&「小さな種をつむぐ人」

11)はじめに恒例になった岩辺代表による詩の朗読=詩・宇部京子「花火」タイトルを隠して、朗読し、何を表現しているか考えるという手法でした。 

22)ショート・アニマシオン

 図書の時間などで、15分間でできるアニシオンがほしいということで4月から始めました。今月は、「オオカミが逃げた!」。アニメーターは笹島智美さん。『子どもの心に本をとどける30のアニマシオン』より「7.オオカミがにげた―ぼくのおうちをさがして」(徳留絵里さん執筆)を再現。10匹のオオカミの逃げ出した家(本)をチームで考えました。挿絵の場合には混乱もありました。

 

 

3)ワークショップ

 『子どもの心に…』の「19.小さな種がつなぐ人びとの輪」でアニマシオン。テキストは、ポール・フライシュマン『種をまく人』(片岡しのぶ訳、あすなろ書房)。アニメーターは増田栄子さん他3名のチーム。舞台はアメリカ、オハイオ州クリーヴランド市の下町ギブストリートの空き地。ゴミ捨て場と化し、悪臭さえ放つその片隅に、ベトナムからの移民の少女が父親の思い出として6粒の豆の種を植えることから始まる。それを見ていた人が水やりを考え、ごみの処理を市役所に交渉し、…、さらにトマトやカボチャを植える人も現れ、交流の広場となっていく人間賛歌の物語である。

 13人の人物の語りでつないでいるので、参加者は13のチームを組んだ。渡された袋の中には、担当する章の部分だけがコピーされている。そこから、人物像とキーとなる品物のイラストを見つけて、短く発表する。ここまでが第一ゲーム。

次に代表1名がそのカードをぶらさげて登壇し、13人の物語の順番を考える。これがおもしろかった。明らかにつながっている人物たちと、順番にはあまりかかわりなく、物語を豊かに広げていく人物たちがいる。それでも、畑となって変化していくどの場面あたりのかかわりかを読み直して議論していくと、だいたいできあがった。それは本文通りではなかったけれど、だからこそ、全体を読み返したい意欲を呼び起こすものだった。

最期に、世界地図を広げて担当した人物がどこの出身であるか書き込んでいった。これもアメリカという国の成り立ちを確認する大事な作業となっていた。

議論では、分担ごとの章にタイトルをつけ短冊を下げるとよかったのではないか、代表ではない(座席にいる)控えのメンバーが文章を読み返してアドバイスしていく活動をもっと組み入れると盛り上がるのではないかなどの意見が出された。また、予読を前提とするかどうかの議論もあった。予読を前提とすれば、その記憶による「正しい並び方」を求めることになる、どうつながっているかを考える議論がおもしろいのではないか、という見解でまとまっていった。

テキストの選び方では、小学生から使えるアニマシオンではないだろうか。

4)感想より

●『種をまく人』のアニマシオンは、肖像画と小物の組み合わせの絵から惹きつけられる楽しいものだった。発表もワークシートと絵とあったのでスイスイ進みました。予読するかどうかの討議がありましたが、予読なしでよいと思いました。全員ができるわけだはないことと、グループ読みの中で、いろいろな確認と発見ができたからです。岩辺先生のおっしゃった「中学生でも(ゲーム後の)どうすべきだったか(予読を必要とするか等)」の議論をするといいというのが興味深かったです。(Y

●一人(チーム)一冊の各章の文章を準備していただいたのでしっかり読みこめました。①「わたしはこんな人です」は、各グループの発表の仕方を見て、簡潔にきちんとこちらを見て話してくれるとわかりやすいなと感じました。“人に伝える”ということを意識していきたいと思います。②「物語を再現しよう」の展開の仕方について、みんなで意見を出しあい考え合えたのがとてもよかったです。「オオカミがにげた」もテンポよく楽しく参加できました。やってみたいと思います。(T