７月「詩でアニマシオン」＆「なぞときブックトーク」

日時：7月2日（土）午後2時30分～4時30分

会場：明治学院大学2号館2201教室。

参加者：31名

●開会の「小さなおはなし」

毎回、開会にクラブ代表・岩辺による詩やお話が行われている。今回は『わたしのせいじゃない』（岩崎書店）。スウェーデンの人権絵本シリーズです。小さな絵本なのでこの絵の人物を大きく描きなおしてマグネットを付けて黒板に貼り、絵本の順番通りに人物を動かして話をする方法をとった。訴える力が強くなるのではないかと思う。

●ショート・アニマシオンは、渡部康夫さんの「詩でアニマシオン」

こやま峰子さんの詩集『ぴかぴかコンパス』（大日本図書）より、取り上げられている品物を並べ、それと見合うカードを探して、それをヒントに詩を作るという活動。詩のエッセンスをうまく書きだしたカードで、とても意欲を高める工夫がなされていた。簡単なように見えて、けっこうハードルは高くて、面白い作品が生まれていた。（作例）＊下線の言葉がカードのものです。◇「はさみ」　「むすんで　ひらいて　ぼくらの道をひらきます　あたらしいかたちを　つくります」◇「三角定規」くるくるくる　回してごらん　あっ　おこっているときの目　こわいね　おやまっているときの目　ごめんなさい　ねいているときの目ごめんなさい　ねいているときの目　なみだポロポロ」

●ワークショップは、「なぞときブックトーク」。アニメーターは宮崎さん、島崎さん。宮崎さんは例会初デビュー。研究授業より緊張したとか。ねらいは「図書館の多様性の発見」。ふたりは、選書のためにそれぞれの地域図書館に何度も足を運び、自分自身がこんなに図書館は面白いのか…！と思ったと言っていた。

　43点の書籍を並べ、アニメーターが読み上げるコメントがどの本のことであるか、推理するという活動。全問正解したチームは出なかったほど！、工夫されていた。しかし、そこは本の好きな会員のクラブでる。80％は正解というのは立派。「研究授業より大変だった！」と、宮崎さんは話していた。ご苦労様。基本的には『子どもの心に本をとどける　30のアニマシオン』（かもがわ出版）の㉘「なぞときブックトーク」です。詳しくはホームページまたは『ファンタジスタ78』でご覧ください。

◇（感想より）

〈詩のアニマシオン〉こやま峰子さんの詩と組み合わせるものだったので、取り組みやすかったです。最後にこやまさんの詩を読んで楽しんだ時間もよかったなぁと思いました。

〈なぞときブックトーク〉たくさんの読んだことのない本の数々。短いヒントからどの本かを想像するのは難しいけれど、楽しかったです。「あー、その本だったんだ」と思って、そこで終わった本もいくつかありました。「その本読みたい」と興味を持ってものもありましたが、もう少し本についての紹介があればますます手に取りたい本が増えたのではと思いました。ほんとうにたくさんの本を選ぶだけでも大変ですよね。しぼっていくのも。どうもありがとうございました。（H）

◇いろいろな本があることを知れるので、本への意欲につながると思いました。たくさんの本がある良さを感じましたが、問題数が多く、また「わからない！」が続くとやる気が薄れてくるなと思いました。（出題方法や問題…。やるとなるととても難しいなと思いました）

◇クイズの間は、少しでも長く本が目に入るように置き方を工夫したいと思いました。（ねらいをしっかり意識しておきたいです）もうすぐ夏休み。この休みを使って、学校の図書館でやってみたいな～と思いました。ありがとうございました！（M）

▲（ひとこと）

この「なぞときブックトーク」の元は、『フランスの公共図書館　60のアニマシオン』より「㊽なぞかけブックトーク」（教育資料出版会）です。そこでは、参加者は丸くなって座り、その真ん中に本が置かれているという配置になっています。これなら、参加者は常に本を見て考えられますね。このアニマシオンのねらいは、「図書館の多様性の発見」です。図書館にはこんなにいろいろな本があるのか！と関心を高めてもらえれば成功というわけです。ですから、あまり手に取られない本もこの際、並べて「光をあてる」ことも大事です。読み上げカードはすべて用意する必要はないわけです。初めや、中間に「チェックタイム」を設けて手に取ってみる時間をおけば、ふだん手にしない本もチェックしたくなるでしょう。（岩辺）