3月例会「絵本から飛び出した音」「紙芝居でアニマシオン」

日時:34日(土)13301630

会場:明治学院大学白金校舎2号館2201教室、30名。春休みのキャンパスはさみしいほど静かでした。中庭は小鳥の憩いの場となっていました。

 ショート・アニマシオンは、福田孝子さんの「絵本から飛びだした音」。テキストは『ふしぎなナイフ』(中村牧江・林建造、福音館)。ナイフが伸びたり、縮んだり、ねじ曲がったり、折れたり、砕けたり…。その絵に音をつけ、さらに身体表現をつけて発表してもらいます。最後はみんなで丸くなって本の展開に合わせてパフォーマンス。20分間。

中心のワークショップは「紙芝居のアニマシオン」。アニメーターは渡部康夫さんと井上桂子さん。まず、3枚だけの綱引きするねずみとねこの紙芝居を演じて、何が異なるかをチームで考えました。それをアニメーターがまとめました。

    絵に黒で縁取りが鳴れている方が、遠くからでもよく分かる(見える)。

    演じ手は後ろで読まないで横に立つ。

    抜き方にも工夫が必要(一気に抜く。半分開いて続ける…等)

 

これによって、紙芝居に基本について理解することができた。原作は、まついのりこ『よいしょ、よいしょ』。

次は、渡部さん手作りの紙芝居『かめさんとこいのぼり』を途中までやってみせ、その続きをチームで作るという活動。登場人物(かめ、うさぎ、きつね、ねずみ、ねこ、くま、いぬ、りす)とその人物がこいのぼりに乗って訪れた場所(ゆきだるまの世界、おばけの世界、海の中、山、林、ビルの街、星のきらめく宇宙、花畑)に合わせて、小さな物語を作るというもの。

ジャンニ・ロダーリの「ファンタジーの二項式」を踏まえた提起となっていたので、登場人物を場面に貼らないで棒につけて動かしたり、大きな魚が襲ってきたリ…と、多様な展開が発表された。これを巡って議論となった。「紙芝居の一場面を作る」というアニメ0ターの提起を守ったところと、自由な活動的な展開を作ったところと出たのは、どうだったのか」という点である。子どもたちを対象とした場合には、どこまでが約束か示した方がよいだろうが、今日のような場では、多様な発想を引き出したことを評価してよいにではないかと、私は思った。渡部さんのいつもながらの準備の充実に拍手!!

〇ショートアニマシオン「ふしぎなナイフ」。本からとび出した音―声と体で―は、道具を使わず自分の声と動作の工夫でとても楽しめました。グループで協力し、アイスブレーキングにもぴったりでした。

 「紙芝居のアニマシオン」は、紙芝居の楽しさ、作る楽しさ、演じる楽しさを含めて実感でき、話し合いの中で、紙芝居の良さ、可能性に目を開かされました。(T)

〇絵を何枚も用意してもらって、発想の助けとなってよかったと思う。「紙芝居」の始めのワークショップで「つなひき」の場面は、とても印象的であった。紙芝居の楽しさを伝えるのに、ぴったりであると思った。「紙芝居は語りである」という言葉の上えは分かったが、その部分をもっともっと楽しむような経験もしてみたい。(S)

〇木枠があると、ワクワク感が増すなあと思います。討論の中でもありましたが、拍子木があるとなお雰囲気が出るなと思います。絵本の読み聞かせとは、また違う印象でした。

 

 子どもたちとやるならば、自由すぎると、「想像力ある者勝ち」になってしまいがちなので、何を使ってよいともう少しはっきり伝える方が、みんな楽しくなるかなと思いました。(M)(記録・岩辺)