12月特別例会
北海道アニマシオンクラブ 佐藤広也さんによる
「かちかち山へのアニマシオン」
12月7日、北海道アニマシオンクラブ の佐藤広也さんを招いて特別例会を開きました。「かちかち山へのアニマシオン」です。佐藤さんによると5年以上も「かちかち山」を研究し、作り上げたアニマシオンということ。30冊以上のあらゆる「かちかち山」の本を持参してくれました。
まず、「かちかち山」を確かめようということで、参加者が知っている「かちかち山」について、①いつの時代 ②どこで ③誰が出てきた ④覚えているセリフ についてそれぞれ短冊に書いていきました。グループ内でそれを発表すると、大きな違いはありませんでしたが、多少の違いがあり、そこに地域差や年代差を感じました。
次に佐藤さんが持参した30冊以上の「かちかち山」の本をグループに3冊配り、それをグループ内で読んでいきました。すると、登場人物の人物像や物語の展開に違いがあるのがわかります。また、絵を比べると、兎や狸が着物を着ている絵本と何も着ていない絵本があるなどかなり違いがあることがわかります。この後、佐藤さんがフレーベル館出版の「かちかち山」を紹介しました。展開が全く違うことから参加者は驚きました。
それから次は火打ち体験です。受付で配られた兎のキャップ、狸のキャップをもとに、兎役の人が狸役の人の背中に火打金と火打石を使って火を付ける体験です。これは実際の火打金と火打石を使ったため会場は大盛り上がり。まさにかちかちやま。
最後に佐藤さんから、当たり前のように思っていた昔話が実は当たり前ではない。わかっているようで実はわかっていない。そこが昔話の面白さで、今回のようなアニマシオンは昔話への誘いになる。話によっては今の時代の価値観から言えば残酷なこともあるので、道徳の授業に取り入れるのには難しさもある。などの話がありました。
とにかく研究熱心な佐藤さん。今では絶版になっている「かちかち山」を何冊も用意してくれ、また実物を使っての火打体験はとても面白く、体験を通して絵本に帰ると新しい発見もあるという貴重な体験でした。佐藤さんの広く、深い究とユニークなアニマシオンの展開に感服の2時間でした。(文責:笠井英彦)
○圧倒的でした。アニマシオンの初歩から応用編まで教えていただいた(体験でした)90分間でした。子どもの読書意欲を喚起するためだけでなく、私自身の学びの部分も多でした。(Y)
○佐藤広也ワールドにすっかり入り込んで楽しませていただきました。どんどん出される「かちかち山」の違いに驚き、昔話が語られた土地によりかわるんだと思いました。火打体験もうれしかった。火が出たとたんドキっとしました。(T)
○かちかち山をこんな風に掘り下げて、他の人が気づかない、気にしないような目線でちゃんと見て、考えてくれて面白かったです。目の付け所がいつも面白くて、私もいろいろやってみたくなりました。(S)