中止になってしまった4月例会で報告予定だったレポートを掲載していきます。まずはショートアニマシオンの1本です。
科学絵本でアニマシオン!
平島和子
科学絵本というと自然科学をイメージする方が多いかもしれません。今回は自然と深くつながりを持ちつつ、環境や社会科学にも関連している絵本を使ったアニマシオンを提案したいと思います。写真絵本『ゾウの森とポテトチップス』は、2013年度の小学校中学年向け読書感想文課題図書ですので図書館に蔵書があるのではないかと思います。ぜひ活用してほしい1冊です。
○目的
・自分たちのくらしが、熱帯雨林や生きものたちの
存続につながっていることを知る。
・くらしの中で、何ができるかを考える一歩に。
○対象:小学校高学年~おとな/4人程度のチーム
○準備:各チームに、世界地図(白地図)1枚
・画用紙数枚・メモ用紙人数分と筆記具(カラーペン、黒ペン)
・『熱帯雨林のコレクション』(P44以降は開かないようにしておく)を配布。
〇すすめ方
1.導入クイズ
①「熱帯雨林がある地域を色塗りしてみよう」
各チーム色塗りします。全チームが塗り終わった
ら『熱帯雨林のコレクション』P6-7で確認します。
2.熱帯雨林は生命の森
地球の全陸地面積の7パーセント未満しかない熱帯
雨林ですが、地球上にすむ生き物の種類の約半分が
暮らしているといわれています。
①『熱帯雨林のコレクション』P12-15、さらにP43ま
で見て、熱帯雨林の植物・昆虫・動物などの多様
性を知ろう。
②ボルネオ島の熱帯雨林のことが書いてある『ゾウ
の森とポテトチップス』という絵本があります。
この本の題名から、どんなことをイメージしますか。各チーム、画用紙に記入・発表。
③時間短縮のため『ゾウの森とポテトチップス』を前半部分は説明し、後半部分を読み
きかせ。その後解説ページの内容(パーム油・熱帯雨林の保全など)を説明します。
食品や洗剤など、パーム油を使用してある製品の包装
を実際に見てもらいます。いくつかのマークにも気づ
いてほしいところです。*森林減少のデータなど、大
型にした資料を準備すると伝わりやすいと思います。
④本の内容を聞いて感じたことを各自書き、チーム内で読み合いましょう。
⑤『ゾウの森とポテトチップス』にサブタイトルをつ
けよう。各チーム、画用紙に書いたものを貼り出し、発表。
3.関連図書などを紹介する。
『ゾウの森とポテトチップス』
横塚眞己人/そうえん社/2012年
『熱帯雨林のコレクション』
横塚眞己人/フレーベル館/2012年
認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン
http://www.bctj.jp/
『身近でできるSDGs エシカル消費』シリーズ
さ・え・ら書房/2019年
○おわりに
『ゾウの森とポテトチップス』をあらためて読み直し、アブラヤシプランテーション
の背景にあるたくさんの問題に気づきました。森林破壊や生物多様性の危機、児童労
働、消費の問題等々、解決の道は遠くとも意識して暮らしていきたいと思いました。
何かのきっかけになれば幸いです。
【このレポートを読んでの感想・意見】
○地球の現状にタイムリーな提案だと思います。詰め込みすぎていないことがいいと思います。
○2-②のタイトルからの連想が肝だと思う。ここに「楽しむ・うたがう・議論する」の
ウエイトをかけるといい。
○③の展示資料としては宇宙衛星から見た世界地図写真がいい。
全紙大の世界地図で売っている。「ニュートン」社のもので古いけど、国境線がないこと、
地球の砂漠化がありありとわかります。
○④のタイトル付けもいい。その前の④各自が感想を書き話し合うを、タイトル付けと関連
させた活動として含めることで、「学習ぽっさ」をのがれられるのではないかな。
○地球環境、地球温暖化の問題を扱うことは、今求められているワークショプだと思う。
○作業や考える場面があり、いいワークショップになっていると思う。
ただ、ショートの30分では厳しい感じがする。1時間の授業をつかってやるのがいいと思う。
○中学社会科1年生の世界地理や3年生の公民、地球環境問題でやれるワークショップだと思う。
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