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4月例会「科学読み物でアニマシオン」

小山公一&おっさんズ

(テキスト)

『太陽ってどんな星?』宮原ひろこ(著) 新日本出版社  2019.7 

(はじめに)

宇宙や地球の成り立ちから人類の歴史まで約138億年のできごとを扱う、歴史家デイヴィット・クリスチャン氏の特別授業が行われたとの報道がありました。(2018/12)

この授業を受けた高校生は「もともと歴史は好きだが、なぜこうなったのかを知るために科学を学ぶ必要があると思った」というようなコメントを述べていました。このコメントには、とても大切な意味が含まれていると思います。

なぜなら、現代は科学技術の進歩が早く、うっかりすると“なぜこうなったのか”という理由が分からないまま、研究された事実だけを受け入れてしまうことがあります。

最近、「科学読み物はあまり読まれていない」という声を聞くこともあり、その理由を考えてみることは大切だと思います。科学読み物を読むと、なぜこのようになるのかなどということが段階的に詳しく書かれ、読んでいるうちに新しい世界へ導いてくれます。本が好きになるためには、さまざまなきっかけがあると思いますが、今回は“科学を身近に感じてもらう”ということを大切にしながら科学読み物への関心をもってもらいたいとワークショップを計画しました。そのためには、どのようなテキストが良いのかいろいろ読んでみました。そのときに出会ったのが『太陽ってどんな星?』でした。この本には、作者が太陽の研究しているときの話を交えながら、研究の様子や苦労したこと、考えてきたことなどが書かれています。最近の情報をカラー写真や知って欲しい情報などはわかりやすいイラストでも説明しています。太陽のことを少しでも知ることは、地球への関心を深めることにつながります。ワークショップでは、一度も読んでいない本を題材にして、科学読み物への関心を少しでも持ってもらえたらと思いながら進めます。           

(参考)

太陽に関する新聞記事の見出し! 朝日新聞(朝刊)より

・千葉工業大学は、太陽系の起源と生命の誕生の謎に迫ります。2019.12.20

・金環食 グアムで 天体ショー   2019.12.27

・太陽 骨身を削って地球に恵み  2020.1.1    

・オゾンホール最小に    2020.1.26

・発電できる窓ガラス 京大、開発進む 赤外線を利用   2020.2.15

科学読み物でアニマシオン                           

ねらい      太陽を理解し地球への関心を深める。 科学読み物への読書意欲を誘う。

テキスト    『太陽ってどんな星?』   宮原ひろこ(著) 新日本出版社  2019.7 

学年       小学校高学年以上~   (チームの人数〉4~5名 

準備       太陽系の惑星ポスター(掲示用)     掲示用マグネット7~8個 

       情報カードはチームの数だけ用意します。

      ・アニメーターが惑星に関する情報を書きます。

      ・1枚のカードだけは間違った情報を書きます。

      ・短冊の画用紙 (おもしろ情報を書く。) 

      ・宇宙に関する本(できるだけ新しく出版された本10~15冊) 

      ・テキスト『太陽ってどんな星?』1冊

おもな流れ 

①嘘の情報はどれだろうか!

・それぞれの情報カードには、惑星に関係する情報が書かれていますが、1枚の情報カードには嘘の情報が1枚入っています。それらの情報カードをチームで1枚選び、そのチームの代表者に読んでもらいます。全チームが情報カードを読み終えた後にどの情報カードが嘘だったのかを理由とともに答えてもらいます。

 

②本ではこう述べていますが、みなさんはどう考えますか?

・アニメーターから出されたことについて、自分たちで考えたり話し合ったりして発表します。事前にアニメーターは本をしっかり読んでおき、みんなに考えてもらいたいこと、聞いてみたいことなどを準備しておきます。

 

③本からおもしろ情報を集めて、発表しよう!

・教室内に置いてある本から、おもしろ情報を選んで発表し、その後にどのチームの情報に一番関心が集まったかを挙手で尋ねます。おもしろ情報は「太陽」、「地球」、「月」の中からどれか1つを選んでもらいます。ただし、本に書かれている文をそのまま書くのではなく、工夫して書くことも伝えておく。

 

④宇宙に関する本の紹介(後方に並べる)  

・参考図書として挙げた本はぜひ並べたい。

 

⑤その他、留意点   

・このワークショップはテキストの本をアニメーター以外は未読ということを前提にして考えました。

・「情報カード」はアニメーターが作成します。

・宇宙に関する本はできるだけ新しく出版されたものを揃える。 

 

〈参考図書〉

・『月刊たくさんのふしぎ 宇宙とわたしたち』2017/4月号(第385号) 

 藤沢健太(文) なかのひろたか(絵) 福音館書店 

・『太陽のきほん』上出洋介(著) 誠文堂新光社 2018/1

・『月のきほん』白尾元理(著)誠文堂新光社 2017/10

・『みんなの宇宙授業』中川人司・中川沙矢佳(著)佐藤諭(まんが)くもん出版 2010/5 

・『もしも月でくらしたら』山本省三 WAVE出版2017/12

・『宇宙の終わりってどうなるの?』誠文堂新光社 2019/9

・『宇宙の話』渡部潤一(著) 日本文芸社 2018/3  

・『なぜ?どうして?宇宙のお話』渡部潤一(監修) 学研 2011/11

・『太陽系・惑星科学』渡部潤一(著)大日本図書 2012/3

・『太陽の大研究』縣 英彦(著)PHP 2011/2

・『惑星 MAPS』宇宙兄さんズ(文)イケウチリリー(絵)誠文堂新光社 2018/6

・『宇宙について知っておくべき100のこと』 訳・監修 竹内薰  小学館 2017/7