『なまえのないねこ』
竹下文子、文 町田尚子、絵
2019年4月25日 小峰書店 1500円
ぼくは、なまえのないねこ。だれからも名前をつけてもらったことのないのです。
ほかのまちねこたちは、みんな名前をもっています。くつやさんのねこは、レオ。ほんやさんのねこは、げんた。やおやさんのねこは、チビ。・・・ぼくも名前がほしいと思うのです。
自分で名前をつければと思うのですが、良い名前が見つかりません。
雨の日に公園のベンチであまやどりをしていると、女の子に「きれいなメロンいろの目をしているね」と声をかけられて連れて行ってくれます。ばくは、名前が欲しかったのでない、名前を呼んでくれる人が欲しかったということに気付くのです。
名前とは、人と人とをつなぐものであること。愛情の表現そのものであることを教えてくれる絵本です。
ねこが愛情豊かに描かれていて、ねこの気持ちが伝わってきます。
見返しには32匹のねこの絵が描かれ、裏の見返しには、それらのねこの名前が付けられていて、見返しのねこの絵を見るだけでも楽しめます。(渡部康夫)
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岩辺泰吏 (木曜日, 07 5月 2020 16:26)
表紙の猫が何か言いたげですね。早く図書館が開いてくれないかなあ。