『風のことばと空のことば 語りかけるじてん』
長田弘・詩
いせひでこ・絵、
2020年4月 講談社 1600円
えんぴつ【鉛筆】
鉛筆はね、人がことばを書くための道具じゃない。
人をことばに導いてくれる道具なんだ。
ことば【言葉】
いちばん大切なもの。花には、水。ひとには、言葉。
まいにち【毎日】
台風の日でも、新聞がとどくと、なんか落ち着く。
一日の暮らしのリズムを、新聞がとどけてくれるから。
……
こんなふうにして、「あ あさ[朝]、あめ[雨]、ありがとう」から、「わ わすれもの[
忘れ物]」まで、50音順に並べられている詩人長田弘さんの「ことば」。
11年間にわたって、読売新聞「こどもの詩」の選者をつとめ、選んだ詩に添えた「選評」だけを、「語りかける辞典」として出版したもの。パラパラと拾い読みするだけでも楽しく、深く、心に語りかけてくる。いせひでこさんが、そこにさりげなく、そしてシンプルなスケッチ風挿し絵を入れている。
これを読むと、教師であれば、私も、子どもたちの言葉を集めて、『風のことば、空のことば』を作りたいなと思うに違いない。我々には編集者つかないし、イラストレーターもつかないから、編集者はわたし、イラストレーターは子どもたちだ。そのつもりで、記録していけば、毎年、すばらしい「ことばのアルバム」ができるのではないだろうか。(岩辺)
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