12月5日(土)日比谷図書文化館において12月例会を開きました。
今回は平島和子さんによるショートアニマシオン、小山公一&読書会メンバーによるワークショップでした。
■ショートアニマシオン
「くらべっこ!でアニマシオン」
3人組のグループに、アニメーターから『こうえんで・・・4つのお話』から作った30枚の絵カードが配られました。この30枚のカードは4つのパートに分かれるということで、その4つの最初だけはわかるようになっています。その後に続く絵カードを4つに仕分け、その絵を見てそれぞれの話を想像するというものです。グループで絵をじっくり観察しながらまず4つに区別していきました。これがなかなか難しい。どちらに属すのか区別がつかない絵がありました。15分ぐらいかけ、なんとか仕分け、そしてあらかじめグループに指定されたパートについて、絵を見てそのストーリーを考えていきました。そして想像した話を発表。次のような発表がありました。
「放課後、ママと公園に行って、ベンチに座るとパパと来ていた女の子がいた。シーソーや木登り、うんていなどで遊んだ。仲良くなって二人だけで帰った。もうママもパパもいらないんだ。あの二人も仲良くやるだろう。」「公園に行こう。パパをさそった。公園は楽しそう。噴水もあるし、すべり台もあるし、シーソーもある。いっぱい遊んだ。お父さんもすっかり元気になったみたい。」 最後にそれぞれのパートを担当した代表者が前に出て、『こうえんで・・・4つのお話』を読みました。グループでの作業は難しかったアニマシオンでしたが、その難しさを楽しめたアニマシオンでした。
■ワークショップ
「注目を集めたのはこの本です!」
アニメーターの小山公一さんが読書会のメンバーとつくった「さまざまな本のおもしろさを知る」ためのワークショップでした。
まず、読書会のメンバー7人がひとり1冊、合計7冊の本を紹介しました。紹介は1分20秒。その本の良さ、おもしろさを語りました。その7冊は『しんでくれた』(谷川俊太郎詩)『ぼくとキキとアトリエで』(中川洋典作)『あおいの世界』(花里真希著)『おさる日記』(和田誠文)『完司さんの戦争』(超智典子著)『ギュレギュレ』(齋藤洋著)『きょうはなんの記念日?366日じてん』(平野恵里子作)。この後、7人の紹介者はA〜Fのカードを引き、そのカードにある質問に答えていきました。カードに書いてあった質問は次のとおり。
A、本の最初、最後、好きな場面のいずれかを選んで、ワンフレーズを読んでください。
B、この本をどのような人にお勧めしますか?
C、この本を読むことになったきっかけを教えてください。
D、サブタイトルをつけるとしたら?
E、この本の作者に言葉をかけるとしたらどのような言葉をかけますか?
F、この本を読んで気づかされたことを一つ教えてください。
そして、この答も参考に参加者が読みたいと思った本を投票していきました。
この投票で一番票が集まったのは『ギュレギュレ』でした。
次にグループで〈本の紹介でこんなことができたらいいね〉というテーマについて話し合いました。
グループでの話し合いの後、発表。次のような発表がありました。
・好きな絵を一枚紹介する。
・実物がある。謎を残す。
・視覚的に、相関図や人物、セリフなどを使う。
・他の本へのひろがりを語る。
・印象的な場面の朗読をする。等々。
このワークショップは、本を紹介することそのものについて話し合うという新しいワークショップで、おもしろく、新たな発見があるものでした。
■参加者の感想
○4人の視点で物語が描かれており、それぞれの人の性格で少しずつ世界が違って見えるというのが色合いなどで表現されているのが原作の面白さだと思います。それゆえに分類はむずかしかったです。例えば順番通りに絵だけを並べてあるところにストーリーを考えてつけてはどうでしょうか?(Y)
○一つの舞台で、さまざまな視点から語られる物語、というのがおもしろく、あれこれ悩んだ後の種明かし(読み聞かせ)がとても心地良かったです。(M)
○今まで培ってきた本の情報を活用したアニマシオンだと思いました。とてもおもしろかったです。どこかでやってみたいと思いました。子どもたちとできたらうれしいです。(O)
○カードで紹介を終えた時、はじめは選ぶと思っていなかった本に一番ひかれていて、紹介の工夫の面白さを感じました。1分20秒という短い時間制限や制限された紹介テーマによる「紹介しきれなさ」が逆に興味をそそられました。(H)
○本を紹介する機会が多い職にありながら、そのことについて時間をかけて考えたり、振り返ったりすることはあまりありませんでした。他の方がどのようなことを大切にして紹介しているかを知ることができて、新たな発見がありました。自身の実践にも生かしていきたいと思います(M) (記録:笠井英彦)
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