『ぼくの犬スーザン』
ニコラ・デイビス/文 千葉茂樹/訳
垂石眞子/絵 あすなろ書房
2020年10月30日初版発行
いつも通りでないことが苦手なジェイク。部屋のおもちゃの置き場もトーストを五つに切ることも、できれば同じであってほしい。そろそろクリスマス。お母さんがツリーの準備を始めた。家族が気をつかってくれているのはわかっているけれど、チカチカ光る電球にはちょっと我慢がむずかしい。そうだ、今年はクリスマスに好きかってなことはさせないぞ!そう思ったジェイクはちょっとした作戦を思いついたのだがみんなを怒らせてしまう。学校は最高。いつだって同じだから。でも、クリスマスショーの準備に入った学校は何か違ってきた。出し物のために一人ずつ選ぶことになった動物をめぐっても、み
んなが言うことはジェイクにとっては理不尽なことばかり。大きな声で叫んでしまい教室から出された。こんなことになるのもクリスマスのせいだ!そんな時にであったのがやっぱりクリスマスの飾りがきらいな犬。連れて帰りスーザンと名付けたこの犬との生活がジェイクを変えていく。
まわりの変化や人とのかかわりが苦手なジェイクですが、それはまずいと思う気持ちとどうしようもなくなる気持ちとがとてもていねいにあたたかく描かれていて、周りの人の温かさはこの作者の温かさではないかと感じた一冊です。(大谷清美)
コメントをお書きください