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今こそ読もう、この1冊!!51

『自由』

ポールエリュアール著 ゴアラン絵 こやま峰子訳 朔北社 2001年10月 2800円

 いつでもどこでもこの本です。この「コロナ禍」で、あれもだめこれもだめという風潮、自粛警察にみんながなってしまう。そんな時に、あれもこれもそれも、なんにでも想像することは自由じゃないか。みんなもだから考えること、生きることを捨てないでという呼びかけが大事なことを教えてくれる一冊だと私は思う。この本に出会うために生まれてきたのかもしれない。

 あなたの自由、わたしの自由を考えて、その続きを作って行こうという「創造へのアニマシオン」にぴったりです。エリュアールが、フランスからでナチスから逃げずに創作し、イギリス空軍がこの詩を爆弾ではなく空からまいたこの詩。意味は大きいですね。ピカソのゲルニカを描く姿を横で見ていたエリューアルの心意気も伝わってきます。あなたはこの絵本の絵にも注目してみましょう。たくさんの画家の自由がそこに込められていることに気付くでしょう。

 プーランクやキャドアシュリー、林光、丸山亜季も曲を付けています。そうして、画家レジェも絵を描いています。ポンピドゥ情報図書館にこのレジェのリベルテがあり、パリのテロ事件への抗議を込めて、拡大されてエリュアールの詩がのったレジェの絵が掲げられました。この図書館に「住んでいる」のは、「リサとガスパール」たちでした。淡々とリベルテを読むエリュアールの声がネットで探せます。でも、淡々ではありません。そこに、リズムが歌がそして希望があることを感じ取れますよ。(佐藤広也)