11月特別例会「長倉洋海さんのスライドトーク」

 1113日、写真家の長倉洋海さんを招いての特別例会を開きました。長倉さんは40年以上アフガニスタンに関わった写真家です。国民の英雄とも言えるマスードと生活を共にし人々が幸せに暮らせるアフガニスタンを語り合いました。2003年からは「アフガニスタン山の学校支援の会」を作って戦争で破壊された学校を再建し、毎年のように山の学校を訪れては子どもたちを支援し、その姿を撮ってきました。写真集『アフガニスタン山の学校の子どもたち』(偕成社)にはイキイキと学ぶ子どもたちの姿が写されています。そのアフガニスタンが今年8月、テロリスト集団であるタリバンに武力制圧されてしまいました。長倉さんは6月下旬から7月までアフガニスタンを訪問していて、もし帰国が遅くなれば命の危険もあったということです。

 長倉さんはアフガニスタンの子どもたちの写真を使って熱く語ってくれました。タリバンがやっていることは人の道に外れている。イスラムの教えにも反している。タリバンは学校を閉鎖し、女性が学ぶことを禁止した。女性が仕事をすることも禁止している。それに従わない女性は鞭打ちなど言葉では言えないような残虐な罰を加えている。でも希望がないわけではない。子どもたちの学びたい、学校に行きたいという意欲に希望はある。ヘラートでは女子生徒の力で高校が復興するなど厳しい状況の中でも光は見えてきている。私たちはアフガニスタンのことを自分のこととして見ていく、共感することが大事で、そのためには意識して情報を求めていくことだ。アフガニスタンの美しい自然、子どもたちの笑顔、真剣に学ぶ姿の写真を見ながらの長倉さんの話は感動的で深く考えさせられました。話の詳細は機関紙『ファンタジスタ』109号で報告します。

 長倉さんの最新のアフガニスタン関係の写真集はこの欄でも紹介した『学校が大好きアクバルくん』(アリス館)です。1本の鉛筆を大事にして一生懸命に学ぶアクバルくんの姿に感動します。また「アフガニスタン山の学校支援の会」のホームページでは長倉さんがアフガニスタンの最新情報を2日に1回ぐらいの頻度で更新しています。大手メディアでは知ることができないアフガニスタンの事実がわかります。ぜひごご覧ください。(笠井)

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