『13歳からの税』 三木義一監修
かもがわ出版 2020年1月
私は中学3年生の社会科を教えています。これから「公民分野」の経済学習に入ります。使用する教科書を見ると重要語句の羅列で系統性がありません。何よりも面白くありません。何かいい本はないかと図書館で探していたところ
見つけたのが本書です。本書はタイトルのように税金を説明した本ですが、その税の説明に当たっては「公平」「幸福」というキーワードから幅広く解説しています。日本国憲法の人権の条文や平和主義、国会の仕組みや選挙のことまで書いてあります。この本から「公民分野」で教えることを網羅できるような感じです。もちろん税についても詳しく書いてあります。なんのために税を集めるのか?どうやって税を集めるのか?その税はどのように使われているのか?税の種類は?等々。そして税は「公平」であるべきで、それは「幸福」に結びつくものだと。これを読むと消費税の問題点もわかるし、「ふるさと納税」がいかに税の公平性を歪めているかも理解できます。中学生だけでなく大人こそ読んで欲しい本です。
編集者の三木義一さんは、元青山学院大学の学長で弁護士です。ダジャレや日本酒が好きな親しみやすい方だといいます。それがわかりやすく面白い文章に表れています。(笠井)
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