『わたし、パリにいったの』 たかどのほうこ
２０２１年３月２２日第１刷 のら書店 １４００円
お姉ちゃんのはなちゃんと、妹のめめちゃんは、パリに行った時のアルバムを見るのが大好き。もう、何回見たかわかりません。でも、パリに行ったのは、はなちゃんとお父さんとお母さんの三人です。その時めめちゃんは、まだお母さんのお腹の中にいたんです。はなちゃんは、いつもアルバムをみては、パリの思い出を話してくれます。ところがある日、めめちゃんがはなちゃんの忘れていた思い出を話しはじめて、はなちゃんはびっくり。どうしてお腹の中にいためめちゃんがそんなこと知っているのでしょう。
「めめちゃん、いろんなこと、おかあさんに きたんじゃないの？」「きいてないよ。わたし、じぶんで みたんだよ」
さあ、めめちゃんは、なぜしってるの？
「わたし、パリにいったの」というタイトルは、一見自慢げに聞こえなくもありませんでしたが、優しい絵と、姉妹の愛らしい会話が楽しく、最後は一緒に笑いたくなるようなおはなしでした。
心の痛むニュースの多いこのごろ、ほっとあたたかい気持ちになれました。（大谷清美）
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