10月22日(土)の事務局学習会(若手研)に詩人、児童文学作家のこやま峰子さんをお招きし、お話を伺いました。こやまさんのお好みのワインをお持ちいただき、みんなで味わいながら楽しい3時間を過ごしました。
「まずはご幼少期のお話を…。」と切り出したところ、校庭の真ん中に鉄製のものを集めて「これが飛行機になる」と言われ、疑問に思った話から始まりました。戦争や疎開の体験がこやまさんの心の中の大きな部分を占めていることを感じました。「今でもおいしいものを食べると、防空壕の中で死んでいった子供たちのことを思い出す。食べさせてあげたいなあと思うのよ。」という言葉が印象的でした。
小学校5年生の頃、こやまさんが習うことになったバイオリンの演奏を聴いても「だめねえ、普通の子なら弾けるのだけど。」とお母さんは褒めてくれませんでした。ある日こやまさんは庭のバラの花が雨に濡れる様子を詩に書きます。それを読んだお母さんが褒めてくれたことが嬉しくて、そこから文章を書く仕事をしようと決意したそうです。
こやまさんとフランスとの出会いは、進学した共立中学校の図書館で出会った翻訳のフランス文学でした。「すべては図書館から始まった。」とこやまさんは言います。
学校を卒業されてからは雑誌などに詩や文章を書く仕事を始め、1983年に「さんかくじょうぎ」が出版されることになります。その後、ルワンダ、ボスニア・ヘルツェゴヴィナなど戦争や地雷で苦しむ子供たち、大きな体と優しい心を持つゴリラなどをテーマに数多くの作品が書かれています。「詩や児童文学の道に進んで本当によかった。いろいろな人に出会えた。幸せな人生。」と語るこやまさん。
若手研では、今後こやま峰子さんの作品を読み合い、研究をしていきたいと考えています。その足掛かりとして今回、お話を伺う機会を持つことができました。こやまさんの数多くの作品はすべて「平和」を愛する気持ちが描かれています。その根底にあるのは自らの戦争体験からなのだなあと強く感じるお話でした。最後に「やはり日本の子供たちを救うために努力しなくちゃいけないのよ。」と力強くおっしゃった言葉をしっかりと受け止めていきたいと思います。(報告:笹島 朋美)
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