有馬たかし・少年詩集 『ありがとう』
理論社 1996年
有馬たかしさんは本年10月91歳で亡くなられた。「たかし」という感じは残念ながら私のパソコンには出てこないのです。小学校の「国語」教科書にもいくつか採用されていた。
「がちゃん がちゃん がちゃん/がちゃん がちゃん がちゃん/がちゃああん がち
ゃああん//がったん ごっとん がったん/ごっとん がったん ごっとん/がったん
ごっとん がったん……」と、音だけを並べていく「かもつれっしゃ」など、非常にユニークで、愉快な作品が満載だ。その並べ方にも工夫があって、子どもたちとずいぶん楽しんだものだ。
「あとがき」で、「口丹波の亀岡に住んでいたころ、ことばや遊びを身につけていく子どもたちといっしょに生活した体験がもとになっているからでしょう。日本の詩はそのころはいうまでもなく、いまにいたるまで、大人のいかついことばがいばっているありさまです。わたしはそういう傾向に満足できない気持をもって、『かな』ばかりの作品を生みおとしていた記憶があります。」と書いている。谷川俊太郎さんの『わらべうた』などとも響き合っていた活動だったと思う。
ちなみに、この理論社の『少年詩集』はとても豊かな作品集だ。まど・みちお『いいけしき』、工藤直子『てつがくのライオン』、谷川俊太郎『どきん』などなど。(岩辺)
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