4月8日、新しい年度最初の月例会を開きました。今回は岩辺泰吏さんによるショート
アニマシオン「新・こぼれたお話」と笠井英彦によるワークショップ「yahooニュースでアニマシオン」でした。
■「新・こぼれたお話」
岩辺さんが今回のアニマシオンで選んだ本は谷川俊太郎さんの『あくま』(教育画劇)。イラストレーターの和田誠さんとの絵本です。ぼくがむかしばなしのなかのみちをあるいていき、あくまとであい、あくまがともだちになりたいというお話(詩)です。アニメーターが絵本を紹介し読んでいきます。その途中、「あっ。ことばがこぼれちゃ
った」と、袋に入ったカードがこぼれ落ちます。次のページも。このカードにはお話のことば一文字ずつが入っています。参加者はこのこぼれたカードを拾い、お話をつくっていく(復元する)というアニマシオンです。このアニマシオンの対象は小学2年生。話をつくりやすくするために文の頭にくる文字だけ違う色のカードになっています。グループで文をつくっていきましたが、やってみるととても面白いのです。これは日本語の一音・一文字である日本語の特性からできるアニマシオンです。グループでつくった3つのお話を前に張り出し発表しました。とても楽しくできるアニマシオンで、早速来週学級でやってみたいという参加者がいました。
■「yahooニュースでアニマシオン」
笠井によるアニマシオンは、あふれる情報を鵜呑みにすることなく自分で判断ができる
ようになることをねらったアニマシオンです。対象は中学生以上。
まず、yahooニュースのクイズから入りました。「yahooニュースの記事は誰が書いているか?」「15文字のタイトルをつけているのは誰か?」「トップニュースは誰がどんな基準で選んでいるか?」「記事を書いた記者が一番気になるのは何か?」等のクイズです。このクイズからyahooニュースの大まかな仕組みがわかります。次に各グループに新聞紙を配り。新聞とyahooニュースの読み比べをしました。広告の違いについても考えました。「yahooニュースでは興味のない記事は見ない」「yahooニュースの見出しは内容と違う。興味をひきやすい見出しになっている」「新聞にはリードがある」「新聞は同じ面に広告があり、yahooニュースは記事の途中に広告が出てくる」などの意見が出ました。次に、アニメーターからデジタル空間で押さえたい3つのキーワード【アテンション・
エコノミー】【フィルターバブル】【エコーチェンバー】の説明がありました。そして、これを押さえたうえで、「デジタル空間が広がると どのような社会になるのか?」という問いがアニメーターからあり、グループで考えました。「情報に操られやすくなる」「何が本当かわからなくなる」「国と国、人と人の対立が生まれる」相互不信、信頼できなくなる」等の意見が出ました。
討論では、スマホを使ってグループでyahooニュース記事の配列や広告の違いを体験さ
せ、その違いから疑問を出させる活動を入れた方がわかりやすいのではないか等の意見が
出されました。明るい展望のわくようなアニマシオンではなく、重い感じになってしまっ
た面がありましたが、今の社会を考える上での問題提起だと言えます。詳細は次号機関紙
『ファンタジスタ』で報告します。(笠井)
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