『バスが来ましたよ』
由美村嬉々作 松本春野絵 アリス館
とある市役所に勤める山崎浩敬さん。難病により、視力を失ってしまいます。慣れ親しんだ通勤のバスも不安で仕方がありません。白杖をつきながらバスに乗ろうとするも、バスが来たのかどうかが分かりません。
そんな時、一人の女の子に「バスが来ましたよ。」と声をかけられます。市役所前のバス停で降りる際も、ボタンが探せず戸惑っていると、「降りまーす。」と女の子の声がします。その少女が小学校を卒業した後も、山崎さんを助ける善意のバトンは繋がれて、定年まであと1年半を迎えます。人と人との関係性が希薄になりがちな時代にあって、心温まる実話を基にした絵本です。温かいタッチの絵からも、子ども達の優しさが伝わってきます。読み聞かせや、道徳の教材にもオススメです。(宮崎)
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