『パレスチナに生きるふたり
ママとマハ』
高橋美香文・写真
かもがわ出版 1,800円(税別)
にっこりと笑った赤ちゃんを、満面の笑みで抱きしめる女性が表紙。そのにこやかさから、思わず絵本を手に取りたくなる。題名には「パレスチナに生きるママとマハ」とあり、パレスチナ=内戦、戦争というイメージがふと浮かんだ。ページをめくるたびに、写真の美しさ、農家の暮らしが伝わってきて、ママとマハに関わる人々の豊かな表情が素敵だ。写真とともに添えられるふたりの女性の記録文には、ココロ揺さぶられる。何も知らなかった自分に気付き、知りたいという欲求にかられた。同じ時間に、同じ地球で暮らす、同じ人間たちなのに、今の自分の生活とかけ離れている現実。
写真家である筆者が、パレスチナで居候をしながら、一緒に生活してきた女性たちとのお話。あとがきまでぜひ読んでほしい。(藤條)
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