9月2日(土)9月例会を開きました。
ショートアニマシオンは笠井英彦による25周年冊子の学習会。ワークショップはチームたまねぎ(大谷・太田和・廣畑・石井)による「展覧会の企画者になろう」でした。
■フランスアニマシオンツアーから学んだこと
前回7月の月例会では岩辺泰吏前代表が25周年記念冊子の前半部「日本における読書のアニマシオンについて」の話をしました。今回は3回フランスを訪問し、フランスのアニマシオンを学んできた笠井英彦が、参観した授業やワークショップから学んだことを話しました。
アニマシオン発祥の地フランスではアニマシオンという言葉は誰もが使う一般用語である。それは読書だけでなく、文化、芸術、スポーツへの誘いのことばである。フランスの学校や図書館では書籍、映像、インターネットを使った多彩なアニマシオンや哲学カフェが取り組まれている。そしてそれを支える全国組織もある。どの教育者も「批判的精神を育み、自立した市民を育てる」ことを目標とし、それがフランスの民主主義を支えていること等の話でした。次回からは冊子の実践編にはいります。ご期待ください。
■展示会の企画者になろう
「今回、皆さんにはイベント会社の社員になってもらいます」「大量の本が寄贈されたので、その本を使って中学生対象の展示会を開きたい」「展示会を企画してください」との呼びかけからワークショップが始まりました。
まずやったのは3冊の本を組み合わせてキャッチコピーをつくる取り組みです。2人組のグループに、10冊~15冊ほどの本の紹介文が載った短冊とA4の画用紙が分けられます。この本の紹介文の中から3冊の選び、その紹介文をA4の画用紙に貼り、そのキャッチコピーをつくるのです。初めは難しそうだなと思ったのですが、10冊ほどの本の紹介文を読んでいくと、ふたつぐらいに分類ができます。またこの本は読んでみたいという本があります。これだけで本への誘いの活動になっています。さらに読み深めるとこの本はすべて「障害」に関係した本だということがわかります。ここまでくるとそれにふさわしいキャッチコピーがだんだん浮かんできます。
すべてのグループができたところで発表。
〇生まれつき顔にアザなどがある絵本を扱ったグループは「人は見た目!と言うけれど・・・。見えるからこそ・・・の差別を考える本」
〇字を読むこと、書くことを苦手とする本を扱ったグループは「よめないけど むりじゃない」
〇困難をかかえる人がたくましく生きている本を扱ったグループでは「キラキラ輝く星になる」
〇歩くことができない人の本を扱ったグループは「歩けなくても 道はある」
〇重い病気を抱えた人の本を扱ったグループは「重い病気をのりこえて わたしたちはひとりじゃない!!」
などわかりやすいキャッチコピーが発表され、前面に貼られていきました。
次は、この展示ができたところで、全体を見て展示全体のテーマを考える取り組みです。各グループにB4半分の画用紙が配られ、グループで全体のテーマを考えます。そして発表。
〇本をひらけば・・壁をのりこえる時の友だちがいるよ
〇生きかたいろいろ
〇むすんで 開いて 手にとって つかんで
〇WITH ~ともに~
〇みんなだれかのピースになれるよ!
〇共に生きる!~みんなで手を取りあって~
〇知ることで道は開ける
〇障害が障害でなくなる日
この発表された中からどのテーマが良いか参加者の投票で選びました。選ばれたのは「WITH ~ともに~ 」でした。
さらにワークショップは続きます。
アニメーターから「では、この企画展でやったらいいと思う展示や企画がありますか?」と。
参加者からは、
・アイマスクや車いすなど実物を置いての体験コーナー
・行政も入れての相談窓口
・障害をもった方の話を聞く
などの意見が出ました。
今回のワークショップは『障害とバリアフリー いっしょに生きる子どもハンドブック』(かもがわ出版 2022年11月)を元に作られました。ワークショップで使った本の紹介文もこの本を解体して作ったものです。このアニマシオンでこの本に載っている障害がわかり、もっと読みたいという思いになりました。
チームたまねぎの4人はこのワークショップのために何度も集まり検討したと言います。その検討を重ねた成果が感じられる楽しく、考えさせられる優れたワークショップでした。
(笠井)
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