『手で見るぼくの世界は』
樫崎茜作 酒井以装画・挿絵 くもん出版
視覚支援学校に通う、目が見えないと。しかし、双葉は駅でぶつかった男性から「目が見えねえのに、ひとりで歩いてんじゃねえよ」と暴言をはかれ、その出来事がきっかけで、ひとりで出歩く勇気を失ってしまいます。学校にも来られなくなってしまった双葉が気がかりな佑は、自分には何ができるだろうかと考え、悩みながらも、自立したひとりの人となるべく一歩ずつ進んでいきます。
今こうして読み書きしている私たちには分からない世界。手で、耳で、鼻で世界を捉える彼らの世界が丁寧に描写されます。
それでは私たちには一体何ができるのでしょうか。「手で見る世界」を知った今、そう問いかけられている気がしてきます。 (名鏡)
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