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今こそ読もう、この一冊!!154

『がっこうのてんこちゃん』

ほそかわてんてん・さく

福音館23.3 杉並図書館

 舞台は、テンの子どもたちが通う小学校。主人公のてんこちゃんは今日から1年生。はじめてのことがとても苦手。すきな食べ物はお持ち。これもあんがいいないかもね。すきな遊びは、一人でままごと。これはきっと同じ人がいるね。

 1時間目、担任のシロ先生は、自己紹介をするのに、なまえとすきなことをおしえてくださいと言った。一番の子からすらすらと話した。そうそう、子どもは10人。てんいち、てんにゃ、てんみ、てんし……と番号が入っている。てんこちゃんは5番目(テン+5・こ)。

 困ったてんこちゃんは窓のカーテンにくるまってかくれてしまう。すると、みんなもまねする。あんがい楽しい。こうして、時間は過ぎて、お弁当の時間になる。休み時間、遠足などと初体験のどきどきを描く。みんなも同じようにドキドキで、不安なのだと知ってあんしんしていく。あるある一年生……だ。

 サブタイトル・「はじめてばかりでどうしよう!の巻」。つまりこのシリーズ第1号だ。ドロシー・マリノ『くんちゃんのはじめてのがっこう』(ペンギン社1982)を思いだしたが、こちらは子どもの好きなイラストがいっぱい入って生き生きと展開していく。次を楽しみにする子どもは多いだろうな。(岩辺泰吏)