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1月例会「もとを知っていれば、もっとわくわく」

 元旦に能登地方で大地震が起こり、まだ大きな被害が続いている中での1月例会となりました。支援、復旧が1日も早く進むことを祈ります。

 1月例会は宮崎大策さんのショートアニマシオンと平島和子さんによるアニマシオンで

した。

■荒井良二さんとあそぼう

 二人の娘さんがいる宮崎さん、この娘さんのために絵本の読み聞かせを意識してやって

きたとのこと。その中で絵本がとても好きになったとのことでした。中でも良かった本の紹介がありました。『まるさんかくぞう』(文渓堂)『サルビルサ』(架空社)『チリンのすず』(フレーベル館)これを参加者全員で唱和しました。『サルビルサ』はわけがわからない面白さがあります。そして、『25周年記念誌』に掲載してある「荒井良二さんとあそぼう」の話へ。荒井良二さんの『こどもる』と『そりゃあもういいひだったよ』をスライドで紹介しました。『そりゃあもういいひだったよ』の実践は4年前に出版した『アニマシオンで道徳』の中に掲載されています。『そりゃあもういいひだったよ』を読み聞かせ、自分の「4コママンガ」を描くというものです。とても楽しく取り組めます。最後に荒井良二さんの魅力の説明がありました。「ヘタウマな絵」「短めのメッセージ」「優しい色」「まねしやすい」など。なるほど、これは頷けました。

■もとを知っていればもっとわくわく

~パロディ・オマージュ・エトセトラ~

 アニメーターの平島さんは小話から入りました。

「むかしむかし、じいさんとばあさんがいました。じいさんは山へ。ばあさんは川へ。ばあさんはおなかがへったので川の上流から流れてくる芋を食べました。そしておならをプ。じいさんはそれを聞いてくさかった(草刈った)」。面白い。今日のアニマシオンは、もとの話をしっているともっと楽しめるということで、その小話でした。これ以後は2~3人組のグループで取り組みました。

①クイズ

物持ちのいい平島さん、何と20年前の『こどものとも』50周年の記念シールを持っていました。このシールを使ってのクイズでした。シールを見てその題名とキャラクターなどを当てるというもの。シールの本は『おおきなかぶ』『ぐるんぱのようちえん』『しょうぼうじどうしゃじぷた』『ぐりとぐら』『ずうくんのさんぽ』など20年前のロングセラーの絵本です。懐かしさもあり楽しく取り組めました。

②本や小道具の紹介

 次は『児童文学キッチン:お菓子と味わう、おいしいブックガイド』(講談社)よりつくったアニマシオンでした。4つの文章と4つの絵(写真)が配られ、この文章と絵を結びつけるというものです。この4つの文章は『モモ』『長靴下のピッピ』『エルマーの冒険』『赤毛のアン』から抜き書きしたものです。4枚の絵(写真)は「ショウガ入りクッキー」「ぼうつきキャンデー」「レイヤーケーキ」「飲むチョコレート」。これは文章をよく読むと解くことができました。

 小道具の紹介ということで、『ハリー・ポッターと賢者の石』(静山社)に出てくる「百味ビーンズ」が登場し、参加者は一粒ずつとって味を確かめました。「腐った卵味」を食べた参加者の顔は・・・・・。

③大人向けクイズ

 平島さんのアニマシオンは小学校高学年から以上を対象としたものですが、このクイズ

は大人向けのものでした。種本は『きりえ偽本大全』(現代書館)。5つの文章が配られ

、その題名をつくるというものです。これはパロディになっていて、もとの話があります。例えば、「一つ穴で生まれ育ったこぶら三兄弟。体が大きくなるにつれ、住居もだんだん狭くなり、それぞれが新しい家を建てることに・・・・・」この文章に題名をつけるというもの。答えは『3匹のこぶら』。もとの話は『3匹の子豚』です。

④昔話や児童文学作品のバラバラ題名再編

 32枚のカードをアニメーターがもっています。そのカードには「くまの」「長ぐつをはいた」「赤毛の」「みにくい」「アラジンと」「北風と」など昔話や児童文学作品の題名が書いてあります。各グループでこのカードを2枚引き、それをつなげて題名を作り、そのあらすじを作るという創作のアニマシオンでした。例えば、「赤毛の」と「王様」を引いたグループは題名を『赤毛の王様』とし、あらずじを「ある国の王様は後とりがおらず困っていました。そこで隣の国から赤毛のきれいな男の子を養子にして・・・・」としました。

 アニメーターはこれら4つものアニマシオンを次から次へと繰り広げました。関係する多くの本を熟読し、楽しい手法をいくつも考えられたことに感服でした。(笠井)