2月3日、2月特別例会を開きました。今回は絵本作家とよたかずひこさんを招いて、とよたさんの絵本を語る会でした。とよたかずひこさんは、『でんしゃにんのって』などの「うららちゃんののりものえほん」シリーズ、『バルボンさんのおでかけ』などの「ワニのバルボン」シリーズ、『どんどこももんちゃん』などの「ももんちゃん あそぼう」シリーズ等、多数の絵本を出している著名な絵本作家です。2年前にも特別例会に来ていただき紙芝居の実演をしてもらいました。今回はとよたさんの7冊の絵本を私たち代表が「読み聞かせ」をして、その絵本についてとよたさんのお話を聞き、私たちも質問、感想を出して語り合いました。使用したのは次の7冊です。『やまのおふろやさん』『でんしゃにのって』『バルボンさんのおでかけ』『バルボンさんのおさんぽ』『どんどこももんちゃん』『かくれんぼももんちゃん』『じいちゃんあそぼ!とんとんとんとんひげじいさん』
とよたさんは読み聞かせした絵本について、その本ができた経過やその絵本への思い、
作成過程などについてわかりやすく語ってくれました。その話のいくつか。
〇とよたさんが絵本づくりを始めたのは娘さんへの絵本を読んだのがきっかけだといいま
す。娘2人に楽しんでもらいたい思いが強かったと。でも絵本作家としてのデビューまで
には苦労があり、今でも図書館に通い多くの本を読んで研究しているといいます。
〇『でんしゃにのって』は、幼いころ聞いた祖母の話がヒントになったと言います。昔の
鉄道では駅弁を売っていて、その弁当を売っている駅名がヒントになったという面白い話
を絵を描いて説明してくれました。
〇とよたさんの絵本はわかりやすい絵がやさしい色で描かれていて読んでいて温かい気持ちになります。これは最初にダミーをつくり、色も特殊インクを使い版画として印刷するということです。確かにももんちゃんシリーズのピンクはとてもやさしい色です。
〇「ワニのバルボン」シリーズは家を持ったワニが動物園に通勤するというとても面白い話ですが、このバルボンとは野球好きなとよたさんが、1955年から1964年まで当時阪急ブレーブスで活躍したバルボン選手からその名前を使ったとのこと。バルボンという響きがよく、その名前を使ってワニが思いついたということでした。これには参加者も驚きました。
〇絵本のつくるにあたり心がけているのは、メッセージ性ではなく楽しいこと。じいちゃ
んが孫に絵本を読む姿が浮かぶような楽しい絵本をつくりたいということでした。また、
話をつくるには、先に表紙、タイトルを考え、そこからアイディアを広げていくというこ
とです。『やまのおふろやさん』の見返し、『かくれんぼももんちゃん』の裏表紙はとて
も面白く工夫されています。等々、絵本ができたエピソードやそれぞれの絵本づくりで工
夫した点などについてもわかりやすく話してくれました。
参加者からは、「親として子どもと楽しく読んでいる」「ソフトで柔らかい色で安心し
て読める」「細かな絵の工夫に面白さを感じる」「登場人物の表情がとてもいい、面白い
」など多くの感想が語られました。
子どもを尊重し、子どものために楽しい絵本を描き続けているとよたさん、学ぶことが
多いあっという間の2時間半でした。とよたさんありがとうございました。(記録:笠井
英彦)
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