『いえ あるひせんそうがはじまった』
カテリナ・ティホゾーラさく
オレクサンドル・プローダンえ
すぎもとえみやく 汐文社
表紙の絵は「ぼく」。何とも言えない顔をしている。手で大事そうに抱えているのは、ぼくが書いたぼくの素敵な家の絵です。ぼくは、この素敵な家に、両親と犬のテレジクと住んでいました。ある日戦争がはじまり、家は、ぼくたちを守ってくれましたが、家は、こわれてしまい、どこか別の家をさがさなくては、ならなくなりました。ぼくたち家族は、家を出てとなりの国との国境までやってきたとき、父が一人で家に戻ると、今度は家族がバラバラになってしまいます。 二〇二二年二月二四日、ロシアは、ウクライナ侵攻を開始しました。家族の核となる家が壊され、家族がバラバラになってしまう焦燥感、何とも言えない悲しい思いがひしひしと伝わってきます。戦争は、子どもたちに悲しい思いしか残しません。このぼくに、早く笑顔が戻ってきますように祈らずには、いられません。(太田和)
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