6月1日(土)読書のアニマシオン研究会6月例会を開きました。今回は、ショートアニマシオンが岩辺泰吏さんによる「教えて、〈平和〉ってなに?」、アニマシオンは笹島朋美さんによる「1年生と一緒にアニマシオン」でした。
■どの本読もうかな?~10冊+1~
「平和」というテーマでのショートアニマシオンでしたので、参加者は「平和」に関する絵本等を使ってのアニマシオンだと思っていました。が、意外や意外。岩辺さんが考えたアニマシオンは、下記の11冊の絵本を使ってのアニマシオンでした。
『おばあちゃんのにわ』(偕成社)『絵で旅する国境』(文研出版)『わたしたちのケーキのわけかた』(偕成社)『わたしのすみか』(岩波書店)『せかいのはてまでひろがるスカート』(リッチブックス)『ピアキのママ』(ブロンズ社)『ぼくが見える』(光村図書)『わたしは地下鉄です』(岩崎書店)『はるさんと1000本のさくら』(中央公論新社)『あさになったのでまどをあけますよ』(偕成社)『あさいち』(福音館書店)
まず、4人グループになって好きな絵本を選びます。そしてその絵本を読んで3センテンスで紹介文を書きます。さらにその絵本のテーマを短い言葉でつけます。そして発表。他のグループの発表を聞くとその絵本の面白さがわかり読みたくなります。
次に使ったのはグループで考えたテーマです。前に張り出された11冊の絵本のテーマは、「わかちあい」「安心の家」「広がる」「へんか」「関わる」「主人公」「100年後の夢」「くり返される毎日」「にぎわい」「移民」「作られた壁」でした。これらを見ていくと日常ということにつながっていきます。そう平和とは日常なんだということに気が付きます。その日常が壊されてしまうのが戦争だということに・・・。平和というものを日常ということから考える優れたアニマシオンでした。
■小学校1年生と一緒にアニマシオン
1年生の担任を何度も経験している笹島さん、その笹島さんが大切にしていることは「本に親しみ能動的に学ぶ」「意見を交流することで他者を認める」「ワクワクする体験をする」ことだと言います。そして、国語の授業を中心に積極的にアニマシオンを取り入れてきたと。具体的には「誰がでてきたかな?」で登場人物を確信したり、「穴あき詩、まねっこ詩」で詩を楽しんだり、「タイトルをつけよう」や「クイズ大作戦」などをやってきたと言います。そして今回のワークショップのために選んだのが次のふたつのアニマシオンでした。
●前かな・後かな「くじらぐも」
光村図書の「くじらぐも」を使ってのアニマシオンです。教科書を見ながら範読を聞き
ます。そして、2人グループになりグループで1枚の絵を選び、どんな場面だったかを2
文でまとめます。すべてのグループが前に出て、話の順番に並び替え、話を再現します。
とても単純なのですが、よく絵を見て文を作ることに没頭するし、順番にも気を使います
。楽しくできるアニマシオンです。
●どの本読もうかな「むかしばなしを楽しもう」
机上に10冊の絵本とその絵本から切るぬかれた絵、切り抜かれた文章がそれぞれ1枚ずつが準備されています。グループで絵本を選び、その絵本に合った絵と文章も選びます。絵本にはビニール袋がかぶせられており、内容はわかりません。グループで絵本の表紙をよく見て、選んだ絵と文章を参考にしてこの本の内容を想像し紹介文をつくります。これは難しい面もありますが、やってみるとおもしろいのです。そして、すべてのグループの発表を聞き、読んでみたい本を選んでみるというアニマシオンです。この発表を聞くと絵本を手に取ってみたくなりました。最後にグループで選んだ本をビニール袋から取り出して読んでみます。そうすると想像したことにより読んだ時の感動が広がります。
こういうアニマシオンが教室で繰り広げられていったら1年生の教室は楽しく学べる場になるだろうと想像できます。見事なアニマシオンでした。詳細は機関紙「ファンタジスタ」に掲載します。(記録:笠井英彦)
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