「あさいち』
大石可久也絵
かたり 輪島・朝市の人びと 福音館書店
1970年代の輪島朝市。とうちゃんたちが朝早くに海から採ってきた魚、雪の下から掘り出してきた野菜をもってかあちゃんたちが集まってきます。道を歩いていくとあちこちから「こうてくだー。」「とれたてやぞ。」とにぎやかな声が聞こえてきます。「おじじのほうじやさけ、てつだいにきてくだしと。」「うちでこたつのもりをしとっても、つまらんしねえ。」と楽しげなおしゃべりの声も混じっています。作者の大石可久也さんが三年にわたり市場に足を運んで描いた、温かいタッチの絵がその場にいるような気持ちにさせてくれます。舞台となった輪島朝市は、今回の能登半島地震後の火災で大半が焼失。朝市のかつてのにぎわいを子どもたちに伝えたい、といった声を受け、復刊が決まりました。売り上げは能登半島地震の義援金として日本赤十字社に寄付されます。(笹島)
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