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今こそ読もう、この一冊!!176

『沖縄について私たちが知っておきたいこと』

高橋哲哉著 ちくまプリマー新書 

沖縄というと、青い空と輝く太陽、エメラルドグリーンの美しい海、ゆったりとした時間が流れる南国というイメージをもっているかと思います。その通りなのですが、歴史を見るとそれだけではない、私たちが知るべき沖縄の歴史や現実があると著者は強調します。沖縄は明治時代まで日本ではありませんでした。明治政府によって日本の植民地になったのです。それ以後沖縄の歴史は、戦争と軍事基地に苦しめられます。今でも辺野古新基地建設や台湾有事に揺れています。

著者は、沖縄は本土の犠牲になっている、それは構造的差別なのだと言います。本来日本全土に米軍基地があるべきなのに、国土面積0・六%の沖縄に七0%以上の米軍基地が集中しているのです。これは「犠牲のシステム」なのだと。この夏、ぜひ読んでほしい一冊です。沖縄への見方が変わります。(笠井)