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今こそ読もう、この一冊!!177

『みどりいろのつりがね』

オトフリート・プロイスラー作 ヘルベルト・ホルツィング絵 武本佳奈絵訳 好学社 

 昔々、ロシアのある村でのお話。村人イワンは畑で土に埋まっている金属の輪を見つけます。牛に引かせて抜くと巨大な青銅の鐘でした。村人たち手作りのやぐらに釣られ、一年中祭りの度に鳴り響く鐘の音は、人々を慰め希望を生み、生まれ変わった心地にしました。話を耳にした傲慢なロシア皇帝は、鐘を我が物にしようと兵士を連れ村にやってきます。権力者と誠実な村人の対照的な姿が描かれています。村を去った皇帝のその後は書かれていません。子どもたちと想像してみるのはどうでしょう。ストーリーテリングにもふさわしい明確な文章と力強く鮮やかな絵に魅了されます。この釣鐘にモデルはあるのでしょうか。鐘に刻まれた文字と絵の意味が気になってしまいました。(平島和子)