10月5日(土)10月例会を開きました。ショートアニマシオンは今回が初のアニメーター近江さん。アニマシオンはチームたまねぎ(千田さん、石井さん、大谷さん、太田和さん、廣畑さん)のみなさんでした。
■受信者としての責任~どうやって気を付けるのか、どうやって見極めるのか~
近江さんは横浜市の小学校の図書館司書です。今回は、9月に6年生向けにやったメディアに関する授業をショートアニマシオンとしてやりました。今、私たちはインターネットやスマートフォンによってさまざまな情報を得易くなっていますが、その情報の真偽について確かめることは希薄です。そこからネット上の誤情報や嘘に騙されてしまうこともあります。これを意識したアニマシオンでした。まず、「フィルターバブル」「エコーチェンバー」「アテンションエコノミー」などの重要語句を押さえていきました。次に、この夏の米が無くなったニュースを取り上げたワークショップを行いました。それぞれのグループに米がほとんどないスーパーの写真、まだ山積みされている写真何枚かと、米が不足を訴える文章、不足は解消されるであろうと書かれた文章何枚かが配られます。そして会場全体を「米不足がひどい」立場と「米不足はひどくない」立場のふたつの組に分け、グループ毎で写真を選び、文章を選びました。そして発表。これによってニュースをつくる報道機関もある意図をもってニュースを作っているということが実感できます。そして次にやったのがインタビュー体験です。2人グループになり、「犬―猫」「山―海」「水色―ピンク」をそれぞれが好みの方を選びます。例えば一人が犬であればもう一人は猫。猫を選んだ人は犬を選んだ人が猫好きになるような質問をしていくのです。何度か続けると猫に好感が持てるようになります。情報は作られるのだという体験でもあります。最後に〈ソウカナ〉で締めくくりました。〈ソ〉即断しない〈ウ〉鵜呑みにしない〈カ〉偏らない〈ナ〉中だけ見ない。ネットの世界を見ると誤情報や陰謀論まではびこっています。今こそ求められる重要で意味あるアニマシオンでした。近江さんにはぜひ第2弾を考えてほしいと思います。
■平和と絵本とわたし~平和へアピール~
チームたまねぎは、このアニマシオンのために何度も集まり、「平和とはどんなこと?」という問い立ち返り、平和の尊さを確かめるという目的でワークショップを考えました。
ワークショップは3人グループで進められました。まず3人のグループに、何枚もの付箋が配られ、各自が平和のイメージを書いていきました。「自由」「自分が好きなことが言える」「何でもない日常」「静かな生活」「満ち足りた衣食住」などいろいろな平和のイメージが出されました。そして、グループで話し合って似通ったもの同士をまとめながら台紙に張っていきました。さらにグループで話し合い、このイメージに合う絵本を選びます。机上に並べられた44冊もの絵本から各グループが3冊の絵本を選びました。そして、持ち寄った絵本をグループ内で回し読みします。さらに、読んだ絵本やグループ内で共有した平和について考えてアピール文を作り、発表用に画用紙に書いていきます。あるグループは、『むこう岸には』(マルタ・カラスコ作 ほるぷ出版)、『ともだち』(谷川俊太郎 玉川大学出版)、『ぼくがラーメンたべてるとき』(長谷川義史 教育画劇)の3冊を選びました。そして話し合って、次のようなアピール文を考えました。【WAR ISOVER 世界はつながっている もとだちになるためには 知ることが大事 他者を想うこと会ったことがなくても ともだち】。44冊も絵本を揃えて持ってきてくれたチームたまねぎの熱意は並々ならぬものがあります。この選書にあたっては『平和の種が見つかる本』(中本晶子著)が参考になったといことです。今、世界は戦争と平和をめぐって大変な状況になっています。この1年でイスラエル軍は4万人以上のガザの人々を殺しました。その多くは子どもや女性です。ロシア軍によるイスラエル侵略はいまだに続いています
。この悲惨であってはならない状況に対して私たちは何ができるのか。子どもたちに何を語り、どんな授業、アニマシオンができるのか。今回のアニマシオンはそれに応えるものだったと思います。戦争を知らない子どもたちが増える中で、どのくらいの子どもからできるのか、低・中学年の子どもたちにはどう投げかけて行けばいいかなどまだまだ課題はあります。今後さらに深めて行ければと思います。(記録:笠井英彦)
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ゆうた君 (木曜日, 10 10月 2024 15:16)
どのあたりの子どもを対象に……? と、考える前に、私たち自身が「平和」について考えてみようということで、興味深い提案だったと思います。たくさんの絵本はリストだけでも貴重でした。