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今こそ読もう、この一冊!!186

『フランス人記者 日本の学校に驚く』

  西村カリン:著  大和書房  

  2024年6月  1,600円(税別)

 著者は日本で20年以上暮らすフランス人記者。夫が日本人で二人の子どもは日本の公立の小学校に通っている。本書は、著者の子どもたちが日本の学校で体験することと、自ら体験したフランスの学校教育と大きな違いを著者の考え、感じ方に基づいてまとめたものだ。日本の学校の良さもしっかりと述べている。私がこの本の中で印象に残った記述は次の二点だ。「日本の学校の先生自身が思ったよりわくわくしながら教えることを重視していない気がする。」これは私たちが進めるアニマシオンと関係ありそう。もうひとつは、「2017年5月、マクロン大統領が就任すると教育に力を入れ始め」、小学校1,2年生を24人学級から12人学級にしたというところ。これは予算や教員不足から完全には実現していないが教員の仕事が楽になったと現場では歓迎されているという。今、日本では教員の働き方改革ということで教特法の特別手当を4%から10%以上に上げると言われている。でも35人、40人学級には手つかずだ。何か方向が違わないか。本書を読んで、私は今のフランスの24人学級でもいいから早くやってほしいと思った。(笠井英彦)