
『いつもとちがう水よう日』
丸山陽子、小学館24.6 1,400円
友だちってなんだろうか。「あやまり」をどう認め、どうあやまるか。それをどう受けとめるか。
早く終わった水曜日の日直をすますと、かいくんがぼくの家においでと呼びかけてきた。かいくんの家は大きかった。かいくんに誘われて屋根の上ると、おかあさんから厳しくしかられる。かいくんは「この子がやりたいって……」と言い訳する。
翌日、かいくんは大事なカードの缶を持ってきて、わたしにあげると言う。いらないと言いあっていると、缶は落ちて、カードが広がる。先生が来てしかられる。かいくんは自分がやったと言う。
――「ごめんね」/「ごめんなさい」/」「ごめん」/わたしがききたかったことば。
それとはぜんぜんちがうけれど、かいくんは「ごめん」をきょう もってきたんだ。――
淡い色彩で丁寧に描かれた絵と、「私」の視点で内面を綴る語りがやさしく、しっとりと入ってくる。子どもと分かち合いたい絵本だ。(岩辺泰吏)
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