· 

今こそ読もう、この一冊!!201

『いつもとちがう水よう日』

 丸山陽子、小学館24.6 1,400

 友だちってなんだろうか。「あやまり」をどう認め、どうあやまるか。それをどう受けとめるか。

 早く終わった水曜日の日直をすますと、かいくんがぼくの家においでと呼びかけてきた。かいくんの家は大きかった。かいくんに誘われて屋根の上ると、おかあさんから厳しくしかられる。かいくんは「この子がやりたいって……」と言い訳する。

 翌日、かいくんは大事なカードの缶を持ってきて、わたしにあげると言う。いらないと言いあっていると、缶は落ちて、カードが広がる。先生が来てしかられる。かいくんは自分がやったと言う。

――「ごめんね」/「ごめんなさい」/」「ごめん」/わたしがききたかったことば。

 それとはぜんぜんちがうけれど、かいくんは「ごめん」をきょう もってきたんだ。――

 淡い色彩で丁寧に描かれた絵と、「私」の視点で内面を綴る語りがやさしく、しっとりと入ってくる。子どもと分かち合いたい絵本だ。(岩辺泰吏)