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例会「学級開きに使える手作り遊び」

 3月1日(土)3月例会を開きました。今回は特別例会として泉宜宏さんによる「学級開きに使える手作り遊び」です。講師の泉さんは38年間東京都の小学校で教師として働いた後、都留文科大学で教鞭をとり、また多くの学生の相談に乗るなど学生思いの先生です。今回は小学校教師時代に図工専科の時に培ったものをいくつも紹介してもらいました。泉さんの実践の優れた点は、牛乳パックや紙袋、新聞紙など身近にあるものを使って面白いものを作り出すことです。今回の「アルミムシくん」「ロールペーパーロケット」「かみつきへび」「牛乳パックのコマ」などもそうです。例会は、工夫して作ったもので楽しく遊びあっという間に2時間が過ぎました。

■「私は誰でしょう?」

まず、泉さんが最近読んだ本で一番感動した2冊の紹介がありました。『中学生から知り

たいウクライナのこと』(小山哲・藤原辰史著ミシマ社)と『中学生から知りたいパレス

チナのこと』(岡真理・小山哲・藤原辰史著ミシマ社)の2冊です。それに続いて画面を

使っての「私は誰でしょう?」がありました。ある人物の詩が紹介されていきます。そし

てその人物の青年時代の写真が写されます。最後に国民的人気になった作品「アンパンマ

ン」の紹介が・・・。そう、その人物とはやなせたかしさんです。今ウクライナ、パレス

チナで悲惨な戦争や虐殺行為が行われています。弟を戦争で亡くし、何より平和を願った

やなせたかしさんを紹介したいという泉さんの強い思いが感じられた「私は誰でしょう」

でした。また同じ手法でレオ・レオニ、エリック・カールの紹介もありました。

■「くるくる金魚」

泉さんから「ロールペーパーロケット」「アルミムシくん」「くるくる金魚」などの紹介

があり、参加者の作りたい希望第一が「くるくる金魚」だったため、「くるくる金魚」を作ることになりました。これは折り紙でつくった金魚を釣り竿で釣ったようにくるくる回すとブーンブーンと音を鳴らして空を回るものです。これがとても面白いのです。泉さんが用意した大小一枚ずつの折り紙、長さが違うストロー3本、1メートルほどの糸と竹ひごが参加者一人一人に配られ、泉さんの指導のもと作っていきました。説明を聞けばそれほど苦労なく出来上がります。できた参加者から立ち上がって頭の上でくるくると回しました。とても楽しくて子どもの頃の帰った気持ちになりました。参加者それぞれの作品ができた後、泉さんがかつて図工専科として取り組んだ実践を当時の写真を見ながら聞きました。子どもたちが紙袋で作ったエプロン、紙と綿で作った様々な人形、また厚紙で作ったアルミムシくんの家やアルミムシくんが転がる坂道などです。このアルミムシくんは、ビー玉とアルミホイルで簡単にできるもので、その転がり方が生きている虫のようで可愛いのです。画像に出てくるどの子どもの表情も楽しそうで、人形を作った子どもが物語を作ったという話は感動的でした。泉さんはこれら手作り遊びを「板橋子どもまつり」など

でもやっているとのこと。泉さんの行動力に感心します。最後に泉さんから説明がありました。「おもちゃのキットを使うと失敗が許されないんです。言われた通りでなくていい。失敗したらいくらでも材料をあげればいい」。素晴らしい!!これは人生でも言えることではないかと思いました。(記録:笠井英彦)

■参加者の感想

〇子どもたちは遊びが好きです。1枚の紙が立体になって、投げたら面白い飛び方をしてわくわくします。自分で作って遊ぶという経験をたくさんしてほしいなと思いました。それにはおとながたくさん経験することも大切ですね。今日は楽しみながら考えを深められました。(I)

〇いろいろな工作を教えていただきとても楽しかったです。学級開きでやったら子どもたちはとてもよろこぶだろうなあと思いました。4月にやってみようと思います。(H)

〇すごくおもしろかったです。自分でつくれるようにパーツと作り方を準備してみようと思います。(O)

〇学級開きた工作が苦手な子どもと楽しみながらできるものばかりだった。工作するとき、失敗することも多いけど材料をたくさん準備してあげて失敗してもよいと安心してできるのかなと思う。(S)

〇今、子どもたちの中でスマホゲーム依存症が増えています。そこには創造性がありません。ゲーム会社が作ったゲームをやるだけです。今日の手作り遊びは、考えて作る喜びや創造性があります。今まさに求められているものだと思います。(K)