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今こそ読もう、この一冊!!207

『夢につばさを 世界中のこどもたちに』

こやま峰子/作 葉祥明/絵 リッキー・ニノミヤ/英訳 金の星社 1997年12月

  本書は世界の戦災孤児の救済を行っている国際NGO「日本フォスター・プラン」(現在「プラン・インターナショナル」に改名)の協力のもとに作られた絵本です。この絵本の収益の一部はこの団体を通じて世界の子どもたちの飲料水改善のために使われています。

「学校で勉強がしたい」それがベトナムの少女トゥイの願いです。でもトゥイは家にとっ

ては大事な働き手。出産のため診療所に入院したお母さんにかわって、トゥイはブタやニ

ワトリの世話、くだものの手入れをします。めでたくトゥイの妹が生まれます。でも妹はベトナム戦争でまかれた枯葉剤の影響からか目がみえません。トゥイは学校に行けるようになり、そこで夢を語ります。その夢は・・・・・。戦争、疎開体験を経験しているこやま峰子さんだからこそこのベトナム戦争の現実に共感できたものがあったかと思います。それはあとがきのこやま峰子さんの文章にも表れています。葉祥明さんの素敵な絵はベトナムで起こっているいろいろなことを想像させてくれます。また、音楽は世界の共通語ということから、こやま峰子さん作詞、中田喜直さん作曲の「夢をうたおう」が楽譜とともに載っています。

5月10日の特別例会では、こやまさんの戦争体験からこの『夢につばさを』につながる話が聞けるかと思います。(笠井英彦)

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コメント: 1
  • #1

    ゆうた君 (火曜日, 22 4月 2025 05:42)

    ベトナム戦争は遠くなったけれど、今、世界中で同じことがおこり、トゥイと同じ境遇の子どもたちがたくさんいる。こやま峰子さんは世界中の子どもたちの困難な現場を訪れて、その声を聴き、絵本にして日本の子どもたちに伝える活動をしてきた。それがこの1冊だ。決して古くはならない物語だ。